[พ]映画「アンダー・ザ・スキン 種の捕食」/スカーレット・ヨハンソンのヌード目当てだけど難解で不思議な作品 @kun_maa
2013年制作のイギリス・アメリカ・スイス合作映画。
主演はすっかりアベンジャーズのナターシャ役として定着しちゃっている感のあるスカーレット・ヨハンソン。
そんな彼女がすっぽんぽんのヌードになっていることで知られているのが、この「アンダー・ザ・スキン 種の捕食」って作品です。
以前から気になっていたものの、このタイトルから何となくスピーシーズ系のB級お色気SF作品かと思い込んでいたので、何となく後回しになっていました。
ところが観はじめてすぐにこの作品はそんなピンクなお色気映画じゃないことがわかります。ピンクどころか冬のスコットランドの陰鬱で暗く寒々とした雰囲気が全体に漂うとても静かで地味な作品でした。
状況がわかるような説明的なものは全くなく、登場人物のセリフも極端に少ないです。
まるでキューブリックの「2001年宇宙の旅」を思い出させるような極端に削がれた説明とセリフ。
派手なアクションやお色気ムンムンな出来事も起こらずに、淡々とエイリアンであるスカーレット・ヨハンソンが車を運転し、男に声をかけ、隠れ家に連れ込むという映画。
もちろん彼女の名前なんて最後までわからないし、何のために男を誘惑して隠れ家に連れ込むのかもはっきりとはわかりません。想像するだけ。
どうやら仲間だと思われるバイクに乗った男たちの正体もたぶんエイリアンなんだろうなあって想像するしかないし、獲物である男が捕食されるシーンも幻想的で意味不明。
男の中身だけがシュポン!って吸い込まれて皮だけが残るシーンは意外でおもしろいという意味では一見の価値がありますが、それだって1回だけですし。
とっても地味です。だから途中で眠くなります。
期待していたスカーレット・ヨハンソンの裸もなんだかイマイチなぶよぶよ感があって、これが素なのか役作りのせいなのかもわかりません。
顔は美しいのにねえ。
男たちが隠れ家の罠にはまっていくところは毎回同じように地味で淡々としています。そして結局鼻の下を伸ばしたことが命取りになったにもかかわらず、彼女とは何もいいことができないまま死んでいく男たちの姿が哀れで同じ男として悲しすぎます。
せめていい思いをさせてやってから殺してやれよと。
でも、それが叶わない理由は最後まで観ているとあるシーンで何となくわかります。
あからさまな説明はもちろんありませんが、ああそういうことだったのねって感じ。
特別なことが何も起こらないままに、エイリアンであるスカーレット・ヨハンソンの退屈な日々を描写し続けるように淡々と続く、運転→男をナンパ→隠れ家→バイバイというシーンの連続。
そんな彼女の行動に変化が現れたのは顔に醜い障害のある青年を車に乗せたところから。それまでの行動に全く感情らしさが見られなかった彼女になぜか突然現れる不思議な感情表現。まさか彼の醜さに同情したということではないと思うのですが...
この青年と出会ったことから、引き続き派手なシーンはないもののそれまで描かれていた決まりきった日常からの逸脱行動が始まります。
この淡白な逸脱行動を強調するという意味では、それまでの淡々とした日常の描き方は効果的だったのかもしれません。
目的もわからずに毎日同じことの繰り返しを続けなければならないことに対する疑問が彼女の中に生じたのか、それとも単なる捕獲物としてしか見ていなかった人間に対する興味が生まれたのか、そこに説明はなくそれをうかがわせる彼女のセリフもないので観客が想像するしかないのですが、理由はどうあれ日常からの突然の逸脱は多くの場合悲劇で終わるようにこの作品も寂しく悲しい終わり方をします。
そのタイトルからは思いもしなかったとても静かで地味な作品です。
スコットランドの寒々とした風景も印象的。
極端に少ない説明とセリフにより僕の理解力が足りないせいで、いささか難解な作品にも感じました。
期待していたスカーレット・ヨハンソンのヌードはイマイチでしたが、最後に彼女が何を思ったのか知りたくなるような心のトゲがチクっと残る、そんな不思議な映画です。
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