[พ]映画「エルム街の悪夢(2010年版)」で劣化したフレディに涙した @kun_maa
「エルム街の悪夢」といえば、ホラー映画の金字塔ともいうべき有名な作品です。
1984年に第1作目が公開され、夢の中に現れる殺人鬼フレディは「13日の金曜日」のジェイソンとともにホラー映画界の超有名人です。
誰でも知っていると思うけど、こいつが殺人鬼フレディ・クルーガーね。
見たことあるでしょ?火傷で引きつった顔と特徴的な鷲鼻に全てを切り裂くかぎ爪。
そして今回ご紹介するのは、この「エルム街の悪夢」の2010年公開のリメイク版。
映像はオリジナルに比べればかなりクリアで明るいです。まあ、その分おどろおどろしさは半減してますが。
それでも、冒頭で恋人クリスに悪夢の話をした後、いきなりの目の前で自分の喉をナイフで切り裂いて死んでしまったディーン。
最初から飛ばし気味の展開に期待で胸を膨らませます。
同じ悪夢を見るのは、決まった人間だけ。そして、その悪夢を見た人間は必ず死にます。
これはもうお約束だからね。現実と夢の融合。どこまでが現実でどこからが夢なのか・・その混ざり具合もこの作品の魅力のひとつです。
突然、ディーンを失った悲しみと夢の恐怖に追いつめられるクリスもまた夢と現実の狭間でフレディの魔の手にかかります。
ん?ちょっと待て。
フレディの顔がなんか変だぞ。火傷の跡が以前より汚らしくないし、あのデカい鷲鼻はどこいったの?まるで末期の梅毒で鼻が落ちた人みたいな顔になっているぞ。
これはひどい...あのホラー映画界の重鎮フレディの容貌を、こんなに変えたらいかんでしょ。トレードマークのハットとかぎ爪とセーターは確かにフレディだけど、顔が別人。
え〜!フレディの顔が変〜!とか思っているうちにも、さらに増える犠牲者。クリスの殺人容疑で逮捕された元カレのジェシーもグサッとね。で、やっぱり見れば見るほどフレディの顔に違和感を覚えます。こりゃ完全に劣化しとる...
立て続けに3人の友人を殺されたナンシーですが、彼女にも"劣化"フレディの魔の手が近づいています。ナンシーに想いを寄せているクラスメイトのクエンティンとともに謎に挑みます。
でも、そのクェンティンもまたフレディの悪夢にうなされているんだけどね。
既に死んでしまったディーン、クリス、ジェシーとフレディに狙われているナンシーとクェンティン。フレディに狙われる彼ら5人の共通点とは何なのか。そしてフレディの魔の手からナンシーとクェンティンは生き残れるのか。またフレディの真の狙いは何?
深まる謎とフレディの過去に関する秘密の暴露はなかなかよかったと思います。
もしかして、フレディって本当はいい人だったのに、愚かな親たちのせいでリンチに合い、焼き殺されたかわいそうな人だったのか?その恨みでフレディが生まれたのか?こりゃ新説か?っていうふうに思わせる話の持っていき方は、正直ワクワクしました。
でもさ、おっちゃんがっかりだよ。
あれだけ話を振っておいて、なにか隠された秘密があるんじゃないかと思わせて、思いきり放り出すのはやめようよ。
結局、ただのペドフィリアじゃん。フレディは顔だけ劣化して、中身は変わってないじゃん。っていうか、これじゃ生前のフレディがあまりにも残念すぎる設定だよね。観客を騙すためにフレディの魂を売ったのか。最低だな、おい!
そして、ラストも「あ〜、やっぱりそうくるよね」って終わり方でなんだかなあ。
う〜ん。何がいけないんだろう。なんか観終わってすごく腹が立ちました。
そりゃ1984年の作品に比べれば、映像は明るくてきれいだし、謎解きを含んだストーリーも途中までは悪くないなって思ったんですけどね。
やっぱり、フレディをあまりにも劣化させ過ぎたってところかな。
顔の特殊メイクは、技術的にオリジナルより上かもしれないけど、すでに定番として完全に定着したイメージを悪い方に変えないで欲しいです。なにあのマヌケ面は!
そして人物設定ね。せっかく「フレディ無実説」を押し立てたなら、最後まで貫き通して欲しかったですよ。あの放り出し方はあまりにも雑です。おかげでそれまでの全てが台無しになっています。
ということで、とても期待していたせいもあり、まさかのフレディの"劣化"に涙する結果となりました。「エルム街の悪夢」を観るなら、やっぱりこのリメイク版ではなく、オリジナル作品の方をおすすめします。
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