[พ]映画「怪談新耳袋 劇場版 幽霊マンション」/黒川芽以がかわいくて切ないどんでん返し @kun_maa
もうすでに季節は冬ということで、いまさら「怪談」でもないだろって話ですが、僕の場合、ホラー映画は季節に関係なく観るので、「怪談新耳袋 劇場版 幽霊マンション」を観ました。文句は言わせない( ー`дー´)キリッ 誰も言わないか。
「怪談新耳袋」といえば、何気なくつけた深夜テレビで偶然観てしまい、その恐ろしさによく震え上がったものです。
この「幽霊マンション」は、その「新耳袋」の劇場版第2弾で、2005年の作品です。テレビシリーズとは違って、それほど怖くはありません。
せいぜい「世にも奇妙な物語」に毛が生えた程度です。毛が生えたってどの程度なのかわかり難いとは思いますが。
毛が生えても別に怖くないし。まあ、ものの例えなんで聞き流して。
物語は、2年前に母親を交通事故で亡くした高校2年生の愛美(黒川芽以)が、フリーランスのライターであり、妻を亡くしたショックから立ち直れず酒浸りになっている父親(吹越満)と一緒に、安くて古いマンションに引っ越したことから始まります。
たしかに敷金礼金なしで、家賃もこの間取りならそれほど高くはありませんが、何しろボロいです。そしてあとから起こることを考えればこの家賃は高すぎるw
入口には変な石とロープで結界が張られているし、ある部屋ではベランダに女子高生の幽霊みたいのも見えるし、管理人は何も言いませんがどう考えても変なマンションです。
このマンションの住民たちは、なぜか愛美たちの転入を全員で大喜び。それはもう異常なくらいに。父親はおせっかいな連中だとしか思っていませんが、愛美はどうにも変な雰囲気を感じとっています。
愛美たちが大歓迎でマンションに迎えられている一方で、そそくさと逃げるように引っ越していく一組の家族。
この家の子供たちはもう中学生だというのに、身体はどう見ても小学校低学年程度。ずっとうつむいていていて、おまけに不自然な白髪と明らかに不気味。
また、管理人は何があっても深夜0時までには、入口の結界ロープの内側に帰宅することを強く愛美に注意します。その不自然さにどうにも腑に落ちない愛美と、その話を愛美から聞いてもまったく気にしない父親。
どうしても気になる愛美は、入れ替わりに引っ越していった家族の住所を管理人から聞いて、忘れ物を届けるという口実でたずねていきます。
そこで元住人から語られるあのマンションについての驚くべき話。
一家の恐怖体験とともに語られたのは、マンションのオーナーの娘が30年前に行方不明となり、それ以来呪われたマンションとなっているということ。
過去30年間で13もの家族が呪いで死んでいるというものなのです。ハンパねえ。
オーナーの娘の幽霊は寂しがりやで、さまざまな幽霊をマンションに呼び寄せるとともに、住民が夜中の0時を過ぎても帰ってこなかったり、勝手に引っ越しをして出て行くと呪い殺されるのだそうです。ひどすぎます。
唯一の例外が新しい住民が引っ越してくると、一番古い入居者から順番に転出することを許されるのだとか。なんじゃそのルールは。
このルールの為に、会社の転勤を断り職を失って貧乏のどん底にある夫婦や、そうなりたくない為にルールを破って引っ越した一家が惨殺されたりと、怪談としてのストーリーは順調に展開していきます。うまく主人公である愛美も関係させながらね。
そして、愛美の周囲でも不思議なことが起きて怯えている様子をちょいちょい入れてきます。これには伏線もあって、単純に映されたままの捉え方をしていると最後にきっちりと「ああ!」という楽しみ方ができますので素直に観ましょう。
一方、呪いがどうやら本物らしいと思いはじめた愛美の父親は、幽霊マンションの記事を週刊誌に売り込み、ライターとしての再起を果たそうとします。
しかし、そんなことをされてしまっては、もうこのマンションに引っ越してくる人が誰もいなくなります。
そりゃそうですよね。実情がわかって引っ越してくる人なんているわけがありません。たまらないのは現在の住人たち。一生ここから出て行けなくなります。
ここから出て行く順番が来ることだけを待ち望んで生きている住民たちの猛反対にあって殺されそうになります。集団リンチです。
そして、住民のリンチから逃げ出す父親と、父親を逃がしてから幽霊の謎を解こうとする愛美。
その先には、やっぱりねっていう安定の展開と、「え?え?なんで?」っていう展開の2つが用意されています。安心させてからの真実の暴露っていう僕の大好きなパターン。
どうしてそうなるのかは、観てのお楽しみ。ネタバレしたらおもしろくないもん。
前回ご紹介した「嗤う伊右衛門」にも通じる人間の醜悪さを垣間みることもできます。
それまでに張られた伏線の回収に気がついた時の「ああ!」を楽しんでください。
すごく巧妙というわけでもないけど、あのシーンはこのミスリードを誘う為だったのか!ということに気づいていくのがけっこう楽しいですよ。
そして、そんなストーリーとは別にやっぱり主演の黒川芽以がかわいいんです。
そういう点では純粋なホラー映画というよりも、黒川芽以のプロモーション作品ですね。
彼女がとっても表情豊かでかわいいです。
それだけに最後のどんでん返しは切なかったな。吹越満だけは許さないヾ(・・;)ォィォィ
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