[พ]映画「セール・オブ・ザ・デッド」/軽快な語り口としっかり演出で楽しめるコメディ・ゾンビ映画 @kun_maa
こんにちは!スプッラタなゾンビ映画も好きだけど笑えるゾンビ映画も好き @kun_maa です。
たいていの場合「なんとか・オブ・ザ・デッド」ってタイトルのゾンビ映画はクソ映画のことが多いのですが、この映画は違います。原題も「I Sell The Dead」だしね。
2008年製作のアメリカ映画ですが、舞台は18世紀のイギリス。
ストーリーはいきなり死体泥棒ウィリー・グライムスのギロチン処刑から始まります。
かといって、グロいシーンがあるわけじゃないです。首がかごの中にコロッとかわいらしく落ちるだけなんでご安心を。血しぶきとかないですから。
本題はこの死刑になったグライムスと一緒に死体泥棒をしていたアーサーが、死刑を目前にして、死刑囚の最後の言葉を書き留める役割の神父に対して、自分たちのこれまでの経験を語るという形式で進んでいきます。
死体泥棒というと現代に生きる僕たちには全くピンときませんが、18世紀頃のイギリスでは、医学の研究のためにたくさんの死体を必要としていたんですよね。
だから法的にまともな手段で手に入る死体は常に不足し、違法な手段で手に入れる新鮮な死体が高値で取引されていたってわけ。
そういう時代背景がわかっていないと、なんで死体なんか盗んで商売になるのかわからないですよね。
グライムスとアーサーも最初は悪徳医師のクイント博士に脅されてただ働きをさせられていたんだけど、途中で偶然発見した動く死体を利用して博士を殺させて自由の身になってからはいい稼ぎになったみたい。
普通の死体はもちろん、アンデッドはさらにいい商売になったというのもうなづけます。
この作品、ゾンビ映画なんだけど、登場するのはゾンビだけに限りません。最初に見つけた動く死体は、ニンニクと心臓に打ち込んだ杭で封印されています。見た目や行動はゾンビだけどほとんど吸血鬼扱いですね。ニンニクと杭ってww
他にも明らかに宇宙人の死体や普通の人食いゾンビも登場します。
全体の雰囲気が軽快なコメディタッチな上、スプラッタシーンもほぼないので生粋のゾンビ映画ファンには物足りないかもしれませんが、そうでない人でも楽しめる娯楽作品だと思います。
アーサーが神父に語る過去の話をおもしろおかしく丁寧に描いている上に、演出もしっかりとしていて18世紀のイギリスの時代の雰囲気もよく描かれていると思います。
また、この手のコメディには欠かせない強敵だけど間抜けな敵役も登場し、最後まで退屈させません。
そして、アーサーがすべてを語り終わった後に用意されている2つのどんでん返しにはちょっと驚きつつも、やはり笑ってしまうのです。
軽快なコメディホラーを楽しみたい人におすすめの、ゾンビゾンビしていない作品です。
邦題でクソ映画と判断してしまうのはもったいない作品だと思います。
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