[พ]映画「ゾンゲリア」/ゾンビが出てこないと思ったら意外な結末に感動すら覚える名作だった @kun_maa
こんにちは!時間があるのでゾンビ映画を観まくってる @kun_maa です。
1981年のアメリカ映画です。
原題は「DEAD&BURIED」ですが、日本でのタイトルは「ゾンゲリア」となんだかよくわからんタイトルですね。
DVDで観ましたが、古い作品なので画像はお世辞にもいいとは言えませんが、それがまた独特の雰囲気に合っていて怖さを強調させます。
この作品の舞台となるのは海辺の田舎町ポッターズ・ブラフ。
最初はのどかな雰囲気ですが、この町を休暇で訪れたという男が地元のかわいらしい女性の色仕掛けにあって、理由もわからずいきなり町の人々にリンチを受けるというところから陰鬱な物語は幕を開けます。
リンチのあげくガソリンをかけて燃やしちゃいます。この町の人たちってなんなの?
全身に大やけどを負い、それでも死ななかった男の病室までやってきて目玉に注射針をグサッってひどすぎる。そこまでやるかっ!
その後も、次々とひなびた田舎町をたまたま訪れた人々を、町の人間はよってたかって殺しまくります。あれ?これってゾンビ映画じゃなかったっけ?
ゾンビが出てこないのに、町の人たちが不気味すぎて怖いんですけど。
なんでこの町の人たちは殺人を重ねるのか理由はさっぱりわかりません。
そして度重なる事件に翻弄される保安官のダン。
保安官以外のすべての町の人が怪しく見えてくるんだけど、全員が殺人狂なわけじゃないんですよ。だけど、どいつもこいつも怪しい。保安官の妻の行動も、葬儀屋兼検死官のドップスも何か変だ。ホテルの支配人も・・・
ゾンビはいつになっても出てこないけど、残酷シーンはそれなりに多く、その特殊効果もなかなかのものです。
それにしてもすごいなあと感じるのは、観ている者を不安にさせる暗い演出と、なかなか種明かしをせずに引っぱり続ける町の人々の理解不能な行動ですね。
気になって気になって作品世界のなかに引きずり込まれていきます。
事態が急変するのは、保安官が誤って車で人をはねてしまったところから。
それほどスピードが出ていたわけでもないのに、なぜかひかれた男の腕がちぎれて車のバンパーに引っかかって動いています。おお!ついにゾンビの登場か!
その男には結局腕ごと逃げられてしまうのですが、車に残されたわずかな肉片を調べてもらうと死後3〜4ヶ月のものとの鑑定結果がでます。
そこから先は、バラしてしまうとおもしろくなくなってしまうので書きませんが、冒頭から謎の殺人を繰り返す町の人々の不可解な行動の意味と彼らの正体がわかったときの衝撃はなかなかのものです。
そして間違いなくこの作品はゾンビ映画です。
それも主流の「人食いゾンビもの」とは全く違う恐怖を感じる作品です。
そう、ゾンビに襲われる恐怖ではなくゾンビになること、ゾンビであることの恐怖とでもいいましょうか。
すべてがずばっとまるっとわかった!と感じたあとに用意されている最後のどんでん返しは、ああ確かにその線もあるよなとは思いますが、やっぱり見事としか言いようがありません。
見慣れたゾンビ映画とは一線を画する恐怖をひしひしと感じさせる名作だと思います。
僕はずっとその安っぽい日本語タイトル「ゾンゲリア」に拒絶反応を起こして、どうせくだらない作品だと思っていましたが、まさかこれほどの作品だったなんて・・・もっと早く観ておけばよかったです。
この作品を観ていなかったなんて、なんてもったいないことをしたんだろうと久しぶりに思いましたよ。
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