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[พ]映画「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」/主観撮影とロードムービー?巨匠ロメロの悩めるゾンビ映画 @kun_maa

こんにちは!ゾンビ映画ってホント楽しいですね @kun_maa です。

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この作品は、2008年のアメリカ映画です。

監督はゾンビ映画の巨匠ジョージ・A・ロメロ。

2008年というとあのP.O.V.(主観撮影)の名作ゾンビ映画「REC」が日本で公開された年です。ビデオカメラによる主観視点での作品が流行っていたんですね。

[ま]「REC/レック」/絶対おすすめの超恐いモキュメンタリーゾンビ映画 @kun_maa - [ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

この作品、ロメロが監督している割にはなんだか低予算臭がプンプンします。

実際、あまり制作費はかかっていないでしょうね。

卒業制作でホラー映画を撮影していたピッツバーグ大学の学生たちが、突然のゾンビ発生のニュースを聞き、撮影メンバーの車でそれぞれの家を目指して旅に出るというストーリーです。

その様子を、ドキュメンタリー監督志望のジェイソンが自分のビデオカメラで撮影し続けるというスタイル。

 

当初、ゾンビに関する情報はラジオ放送のみと極端に少なく、真偽のほどもよくわからないままとにかく車で移動するわけですが、途中でゾンビと思しき人間をひき殺した罪悪感で拳銃自殺をする女子学生がいて、彼女を病院に運びこんだあたりから、病院が無人だったりゾンビに襲われたりと、どうやらこれは本当にヤバいことが起きているという雰囲気になります。

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とりあえずは、ジェイソンの恋人デブラの自宅を目指して車での旅が続きますが、途中で耳の不自由な老人との出会いや、どさくさ紛れの略奪で自分たちのアジトを作っている黒人集団、強盗と化した州兵などとの出会いを通して、学生たちの意識も変わっていきます。決して明るい方向に向かうわけではないんだけど。

そういう意味ではロードームービー的な要素を含んでいる作品なんですが、まあちょっと中途半端な感は否めません。

 

ジェイソンによる主観撮影視点という方式も、なにかに取り憑かれたように撮り続けるジェイソンを突き動かす動機が「報道は嘘ばかりだから、自分が真実を撮影してネットで公開するのだ」という程度のもの(しかもネットは次第に壊滅状態)でしかなく、なぜその程度のことに自分の命をかけるのか今ひとつ感情移入できません。

そして、肝心な映像自体も主観視点の良さが活かされているとは言えず、緊張感が全然伝わってこないので、自分がその場にいるという感覚も共有できません。とりあえず、流行に乗ってみましたって感じなのでしょうか?

主観視点の活かし方という意味では正直なところ「REC」の足元にも及びません。

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といった感じで、批判めいたことばかり書いてしまいましたが、ロメロ作品ということで期待値が大きいからに他なりません。

ゾンビ映画としては、適度にゾンビに襲われたり、お食事シーンもあったり、人間の愚かしさを描いたりと最後まで飽きずに観ることができる作品です。

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唯一ロメロ作品らしいところは、メッセージ性はきちんと存在していて、「情報」というものの在り方や極限状態に置かれた人間の本当の姿を皮肉るところはさすがと言えるでしょう。

ただ、作品表現に対してメッセージ性が強するぎるというか、釣り合いがとれていない感じはしました。だからちょっと説教臭い感じが鼻についちゃう。

 

この作品を観たのはこれで2回目です。

あくまでもウスノロ系ゾンビにこだわるところ、そして強いメッセージ性という部分はロメロらしい作品だと思いますが、巨匠と言えどなにかいろいろ悩んだり考えるところがあって試行錯誤して悩みながら作品を作っているのかなあなんて、この前後の「ランド・オブ・ザ・デッド」や「サバイバル・オブ・ザ・デッド」も含めて考えさせられました。

いろいろ書きましたが、ゾンビ好きなら観ておいて損はしない映画だと思いますよ。

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