[พ]映画「REC/レック」/絶対おすすめ!超怖いモキュメンタリーゾンビ作品 @kun_maa
2008年に日本公開のスペイン映画。
全編ビデオカメラによるP.O.V(主観撮影)方式によるモキュメンタリー作品です。
「眠らぬ街」というテレビ番組で消防署を取材するレポーターのアンヘラとカメラマンのパブロ。最初はなにも起こらない退屈な消防署の取材だったのですが・・・
アンヘラがかわいいです。
あるアパートで人が閉じ込められているという通報を受けて消防士とともに現場へ向かうアンヘラたち。これが事件の始まりです。
最初の消防署の取材から、事件が起きて思わぬ方向へ進み、最後に至るまで映像は全てパブロが撮るビデオカメラの視点だけで描かれていきます。
登場するのは何かの病原菌に感染したと思われる感染者で、人肉を食べるわけではないので、正確には「ゾンビ」ではありませんが、人に噛み付いたり、銃で撃たれても死ななかったりと、広い意味ではゾンビに分類していいかと思います。
このばあさんが突進してくるところなんか思い出しただけで震えます。
この作品の舞台は、通報のあったアパートの建物のなかだけ。
制作費はあまりかかっていないと思いますが、よくできたとっても怖い作品です。
この作品の何が怖いかというと、次のようなものです。
①アパートが理由も告げられず当局によって封鎖され、逃げ場がないこと。
②部屋に閉じ込められたという老女がいきなり警官に噛み付き、逃げ場のないアパートの建物という密閉空間で感染者が増えていくこと。
③全ての映像がビデオカメラを通した主観映像のため、まるで自分がそこにいるかのような臨場感があること。
④視点が一方向であることを上手く利用して、音で見ている人間を驚かすお化け屋敷的演出があったり、暗闇を写すビデオカメラの端に感染者を唐突に写し込んだりというドッキリ映像的な怖さ。
最初の、平和で退屈な消防署の取材映像が嘘のように途中からは恐怖のどん底に突き落とされます。
また、アパート住人などへのインタビューを通してしか得られない断片的な情報の少なさは、作品のなかの人物たちと同様に観ている人間を不安に陥れます。
建物から逃げようとすれば、当局に射殺される。かといって、建物なかにいれば感染者に襲われるという逃げ場のない恐怖と、どこから感染者でてくるかわからない恐怖。
感染者の顔も怖いんだこれが。
必死で最上階まで逃げ、階段から聴こえる声に見下ろすと、下の階が感染者だらけ。
チビリますよ。
これを全部主観映像でやられるから、カメラのブレや見えないところの物音、全てが恐怖の演出になるんです。ホント怖い。
でも、ただ怖いだけのキワもの作品かというと決してそんなことはなくて、登場人物はちゃんと描かれているので感情移入できるし、アパート住人たちの自分勝手な様子を描くことで人間のエゴも丸出しになっています。ある意味、新感覚だけど理想的なゾンビ映画。
逃げ惑うアンヘラたちには銃も武器となるようなものもなく、ひたすら逃げるしかない。
そして逃げる場所は極端に限られているという絶望感。
最後にたどり着いた最上階で、謎の一部は解明されるのですが、それが最悪の恐怖へと繫がっていくところは見事としか言いようがありません。
これは観ておいて損のない、すばらしい作品だと思います。
怖いの苦手な人にはちょっとキツいかもしれないけど、そうじゃなければ絶対おすすめの作品です。
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