[พ]映画「カミングアウト・オブ・ザ・デッド」/タイトルとは裏腹におもしろいゾンビ映画 @kun_maa
2010年のアメリカ映画(原題:ZOMBIES OF MASS DESTRUCTION)です。
舞台は2003年、シアトル郊外にある孤島ポート・ギャンブルという小さな町。
ゲイのカップルであるランスとトムはこの町を訪れます。目的は邦題にもなっているように、トムの母親に対してトムがゲイであることをカミングアウトし、2人の交際を認めてもらうため。
ところがいよいよ母親にゲイであることを告白したときに、突然トムの母親がゾンビになって2人に襲いかかってきます。もう、カミングアウトとかどうでもいいし。
なにがどうなっているのかさっぱりわからない2人は、テロリストがばら撒いたゾンビウィルスによって、住民がゾンビ化しているということをTVのニュースで知ります。
なんとか島から脱出しようと行動を開始した2人が目にしたのは町中にあふれるゾンビの群れっていう状態。
タイトルもそうですが、ジャケットもコメディっぽかったので、どうせたいしたことないだろうと油断していました。
生きたままゾンビに顔の皮をはがされたり、ゾンビになったトムの母親がこぼれ落ちた自分の目玉を食べたり、手をつないで一緒に逃げようとした少女が暴走してきた車に跳ね飛ばされて、つないでいた腕だけが残ったりと、けっこうな血飛沫残酷系の演出です。
一応コメディタッチではあるんだけど、残酷描写も容赦ないって感じ。
登場するゾンビたちはウスノロ系なんだけど、ゾンビのメイクも悪くないし、お食事シーンもなかなか頑張っています。けっこうなグロです。
ゾンビの発生という異常事態の中に、イスラム教徒やゲイに対する偏見を織り込みながらストーリーは退屈させないテンポで進んでいきます。
なんだよ、おもしろいじゃん。まったく期待していなかっただけに、B級映画がA級に見えます(そんなわけないか)。
作品中でのイスラム教徒とゲイに対する偏見とその仕打ちは、なんの冗談だよ?って感じで、正直なところ「田舎者のアメリカ人てこんなにバカなの?」って思ってしまいますが、たぶんこれは風刺なんでしょう。
そこまで考えてストーリーに組み込んでいるのか、ただ面白くするために組み込んでいるのかはわかりませんが。
まあ、ゾンビも怖いけど人間の偏見と憎しみって怖いよねってあらためて思わされます。
いったいどういうオチが待っているのかと思ったら、軍隊の投入であっという間に見事解決。簡単だな、おい!
そして29週間後、島の封鎖は解除されてめでたしめでたし。
結局テロリストの行方も、テロの方法もわからず終い。なんでこんな小さな島がテロの標的にされたのかもさっぱりわかりません。製作費の都合でしょうか?
細かいことは抜きにして、思っていたよりまともなゾンビ映画なので、ゾンビ映画ファンは観ておいて損はないと思いますよ。いや、ホントに。
血飛沫グロ系が苦手な人にはけっこうグチャグチャなので全くおすすめしませんが。
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