[พ]映画「スノーホワイトデッド」/どうかクソ映画と誤解しないで!意外とおもしろいゾンビ作品 @kun_maa
タイトルからはZ級映画の香りがプンプンしますが、ジャケットに「各国の映画祭で大絶賛された最新ゾンビムービー上陸!!」って書いてあったんで、その言葉を信じつつ修行のつもりで観てみました。
作品の舞台はすでにゾンビが蔓延している世界の雪深い田舎町。
マットとエドの2人組は車で雪原の一本道を走りながら何か獲物を探しています。
その獲物は、ゾンビではなくて「生きている人間」。彼らは、自分たちが生き残るために、生きている人間を殺してその死体をバラバラにし、サム夫妻宅に届けているのです。
人間の死体を届ける代わりに、食料やガソリンをサム夫妻から分けてもらうのですが、なんでこの夫婦が人間の死体を欲しがるかというと、自分たちの息子がゾンビになってしまったから。
ゾンビ狩りではなくて、ゾンビの餌にするために人を狩っているって設定はおもしろいですよね。マットとエドの2人はサム夫妻が人間を食べていると思っていたようですが。
サム夫妻は、いつか治療法が見つかって息子が治ると信じているんですね。だからそれまでは、2階の部屋に鎖でつないで、人間の肉を与えているって訳なんです。
こうなると、やがてゾンビ息子の回復を信じる父親サムと、人間を息子の餌にすることに罪悪感を感じて苦しみ、息子を残して家を出て行こうと提案する母親との確執と悲劇的な結末なんてのもストーリーとして用意されていることは想像に難くないでしょう。
全体的に薄暗くて、ビデオ撮影の自主製作映画のようないかにも安っぽい映像に、最初はやっぱりクズ作品か・・・と思いましたが、観ていくとこれが意外とおもしろいんですよ。
主人公と思われるマットとエドの行動は、ちょっと無理に人物を描こうとしているのが見え見えというか、まあぜんぜん共感できないしなんだかよくわからないところはあります。
例えばマットはなぜか部屋の浴室に女のゾンビを飼っていたり。
エドはあこがれの女性を探す旅にひとりで行っちゃうんですが、その女性は実は拾ったビデオテープに出ている女性に勝手に惚れているだけ、しかも旅に出たはずがいつまでも田舎町をウロウロしているし。
粗を探せばいくらでも出てくることは間違いない作品なんですけど、ないようであるようなストーリーでは、一応いろいろと仕掛けておいてちゃんと回収する努力はしている(こういう作品って仕掛けが投げっぱなしのものが多いのにね)ところに好感がもてるし、ゾンビの登場回数はそれほど多くはないけど、それなりの数をそろえて、メイクやお食事シーンもちゃんと作っている感じで頑張っていると思います。
一応、銃も使うけどゾンビとの戦いよりも、登場人物に焦点を当てた静かな作品だと思います。
うん。思ったよりぜんぜん悪くなかったですよ。
さすらいのゾンビ映画ウォッチャー @kun_maa でした。
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