[พ]映画「デッド・ガール」/非モテ男子高校生が監禁女ゾンビを・・これは暗黒青春ゾンビ映画だ @kun_maa
落ちこぼれでパッとしない非モテの男子高校生たちが、閉鎖された廃病院の密室に監禁された裸の女ゾンビと出会ったら、というありそうでなかなかお目にかかれないシチュエーションの作品です。
タイトルや始まりの雰囲気は思いきりB級作品を匂わせるのですが、これがなかなかどうして作りはしっかりしています。
学校の落ちこぼれで、これといって得意なものも夢も無く無為な高校生活を過ごしている幼なじみのJTとリッキー。典型的な非モテのダメダメ高校生です。
リッキーの方は、幼い頃のファーストキスの相手ジョアンに今でも未練タラタラでいつも遠くから見つめているばかり(ストーカーかよ!)。
そんな2人が授業をさぼって忍び込んだのが、すでに閉鎖された精神病院。ビールを飲んで建物の中を荒し回って鬱憤をはらしますが、地下のある部屋でとんでもないものを見つけます。
そう、裸でベッドに縛り付けられてビニールシートを被せられた女性です。
いつからどうしてこんな場所にいるのかわからないけど、どうやら動くので生きているようです。警察に届けようという良識あるリッキーと「裸の女」を目の前にして既に悪い妄想で頭の中がいっぱいになっているJT。
JTはリッキーを追っ払い、欲望のままに謎の女性をいたぶります。自分の自由になる人形として。このあたり、もう完全にバイオレンス&エロの暗黒作品の雰囲気を醸し出しています。
ところが、この女性がやはりおかしい。「ゾンビ」という単語こそ作品中に出てこないものの、言葉はしゃべらないし、JTに噛み付こうとするし、殴り殺しても、首の骨を折っても、銃で撃っても決して死なない。
もう、どう考えてもゾンビでしょ。そうじゃなければ何かの感染症。
でも、JTはそんなこと気にしません(ちょっとは気にしろよ!)。完全にこの「彼女」を自分の自由になる「穴」呼ばわり。
リッキーが乗り気でないとわかると、もうひとりの落ちこぼれの幼なじみウィリーを仲間に引き入れて、この女ゾンビを犯しまくります。サイテーです。鬼畜です。ゲスの極みです。
でも、僕がエロい心を失ってしまったせいなのでしょうか?動く死体とそういう行為をしたいという気持ちがさっぱり理解できません・・・。
あ!僕は非モテじゃないから理解できないんだ( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン
この作品ではどうやら性行為では感染しないようですが、作品によっては性行為で感染するゾンビものもあるのにね。普通の感覚じゃ生きてる死体とセックスなんて、怖くてできないよ。ちゃんと自分の身を守らないとね。
よほど女性に飢えていたのでしょう。JTなんて「オ◯ニーを覚えた猿」のようにすっかり虜になって、学校にも来なくなりこの女ゾンビの部屋に入り浸ります。
非モテでヤリたい盛りのバカ高校生に、無条件で自分の自由になる「奴隷女」を与えちゃいけないって証明しているような作品です。たとえそれがゾンビだとしてもね。
エロとゾンビって組み合わせはダメ作品ばかりなので、僕はそれほど相性がいいとは思わないんですが、どちらも低予算で作れるのでとりあえず組み合わせた最低の作品はけっこうあります。
この作品もそんな最低の作品のひとつかと思ったのですが、実はそんなことないんです。
と言うのも、この作品はコメディ路線皆無です。笑い無しの真っ黒な作品。
落ちこぼれ高校生や成り行きで巻き込まれた筋肉バカのマッチョ高校生も含めて、己の欲望のままに女ゾンビを蹂躙しますが、これがまったく笑えません。
10人観たら8人は嫌悪感を感じるだろうなあってくらい、すっごくイヤーな感じで描き出しています。強いて言えばまったく爽やかさのないドス黒い青春ゾンビ映画です。
モテない高校生のエロい妄想と監禁された女ゾンビが出会ったらこうなるだろうなあという行き場の無い性欲のはけ口の行方を惜しげも無く表現しています。
その、最後まで飽きさせずに作品世界にグイグイと引き込んでいく描き方はすごいです。ロクに予算もかかっていないだろうし、ストーリー自体は人間としてどうなのよ?って内容ですが、不思議と観る者を引きつけます。これっていったいなんなんだろうね?ホント不思議です。だって内容はかなりイヤな作品ですよ。でも引き込まれるんですよね。
そして、終わり方も希望が無い。っていうかやっぱりそうなっちゃうの?って感じ。
モテない高校生の妄想実現って視点から見ればパラダイスかもしれないけどさ。
リッキーお前もか・・・ってね。
エロ・グロ描写があるし、内容が内容なので家族や彼女と一緒に観たりしない方がいいです。ひとりでこっそり観ましょうね。
そのへんの十把一絡げのゾンビ作品とは一線を画す、ある意味すごい作品だと思いますよ。笑えないけどおもしろいです!黒いです。
iTunesにもありました。
そしてDVDはこちら。
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