［พ］映画「スリーデイズ・ボディ 彼女がゾンビになるまでの３日間」／性病？いやゾンビです @kun_maa

世界にゾンビが溢れ出して、ゾンビに襲われる恐怖を描いた作品は多いですが、この作品はタイトルそのまま。ある女性が一夜限りの性交渉で得体の知れない感染症にかかって、ゾンビになっていく３日間の様子を描いています。

最近流行のゾンビが主人公という映画のひとつの形態といってもいいかもしれません。

主人公のサマンサはレズビアンです。でも、恋人の女性とうまくいっていなくて、ある夜のホームパーティーで、見知らぬ男と成り行きでセックスしちゃいます。う〜ん、たった一夜の過ちであんなにきれいな女性が・・・。

翌朝から彼女の身体に異変が起きます。相当感染力の強いウィルスかなんかなのでしょう。下半身からの不正出血やら皮膚の壊疽、激しい耳鳴りに腹痛と次第に彼女の体調は悪くなっていきます。

病院で診察を受けるも、当然医師には何の病気なのかわかりません。

２日目には下半身からのさらに異常な出血、腕に現れた瘢痕、爪は簡単にはがれ、歯磨きをすれば歯が抜け、目は酷い充血です。これはもうただの病気ではないことは一目瞭然です。

ホームパーティーを開いた友人からは、その夜彼女が寝た男を警察が捜しているという話も伝わってきます。ただし、なんで警察が捜しているのかはわかりませんが。

映画を観ている観客にはおそらくゾンビ感染症が絡んでいるのだろうと想像できますけどね。最後まではっきりとはしません。

この作品のいいところは、ただ彼女が壊れていく過程を追うだけではなく、その中でしっかりと人間的な背景を描いていることでしょう。恋人である女性に対する強依存、過去の薬物使用に関係してぎこちなくなっている母親との関係、平凡でつまらない仕事、ストーカーのようにつきまとう男の存在など、彼女がどのような人間なのかを丁寧に描いています。

そのような土台があるからこそ、彼女に感情移入して次第に肉体が腐敗し、ゾンビになっていく様子に恐怖を感じることができるのだと思います。

それにしても、主人公の女性の容姿の変化には元が美人なだけについつい見入ってしまいます。サングラスを掛けたり、化粧で誤魔化したりと痛ましい努力はしているのですが、肉体の崩壊は止まりません。身体がボロボロになるにつれて、元々情緒不安定な彼女の精神状態も異常性を帯びていきます。

身体は崩壊していくのに、意識が最後まで残るってある意味残酷ですよね。

性交渉でゾンビになるっていう設定は、日本のゾンビ漫画「ライフ・イズ・デッド」に通じるところがありますが、やはりAIDSを想起してしまいます。

AIDSに限らず、不用意な性交渉でこの作品のような感染症にならないと誰が断言できるでしょうか。安易なセックスが身を滅ぼすもとだと実感できます。身に覚えがある人は怖くなるんじゃないかな。え？ぼ、僕は大丈夫なんだな。

果たして３日間で彼女がどれだけ変わるのか、そして結末はどうなってしまうのか。

それは実際に作品をご覧いただいて、自分の目で確かめてみてください。

それほどお金がかかっている映画とは思えませんが、特殊メイクはいい線いっているし、ストーリーも珍しいので、ゾンビファンなら観ておいて損はない作品だと思います。 

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ライフ・イズ・デッド (アクションコミックス)

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