[พ]Another ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

映画(ちょいエロ・ゾンビ・ホラーなど)の感想や「おっぱい愛」など、内容が異なるもうひとつの[ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

[พ]男子の貞操ー僕らの性は、僕らが語る/男子の・男子による・男子のための、セックス論 @kun_maa

完全にタイトル買いです。

こんなインパクトのあるタイトルは珍しいのではないだろうか?

だって「男子」の「貞操」ですよ。貞操って言えば女子でしょ?って思うのは偏見か。

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男子の貞操: 僕らの性は、僕らが語る (ちくま新書 1067)

男子の貞操: 僕らの性は、僕らが語る (ちくま新書 1067)

 

てっきり童貞を煽るふざけたセックス論みたいなもんかなって思っていたら、現代の「性」に関する問題をガチで扱っていました。

それもそのはず。著者はこの本を男性向け性教育の古典とすべく書いたのですから。

もう、スタートの時点で僕のようにおチャラけた気持ちではいないのです。

「はじめに」にも、次のように書かれています。

本書は、「男子の・男子による・男子のための、新しいセックス論」です。

「僕らの性は、僕らが語る」という立場から、日常生活の中で僕たち男子が直面する、性に関する問題とその解決策を、一つ一つ、論理的に読み解いていきます。そして、性生活を通して、人生を豊かにするためのスキルを身につけてもらうことを目的とします。(P.7)

そう、世の中に溢れる刺激的なエロエロ情報に毒されて、刺激を求めるだけの貧弱なセックスではなく、もっと人間味のある豊かなセックスを学ぼうじゃないか!というのが本書の趣旨です。

例えば「僕らを射精に導くのは『誰の手』なのか?」というタイトルの序章では、僕なら「それは右手でしょ!」とアホ面して答えてしまいそうですが、著者の答えは違います。

自慰行為に使用するいわゆる「おかず」の数々について、それは生身の女性とは切り離された「記号」にすぎないと述べます。

そして、その記号に対して男子が興奮するのは、国家権力がそれを猥褻物と認定するからだというなんだか卑近な話の規模があまりにも巨大化してびっくりさせられる答えが飛び出します。オナニーと国家権力ですからね。結びつけるところがすごいです。

そして、この国家権力に踊らされているという性的興奮について、このままではいかん!という意見が著者の立場です。

「お上の見えざる手」によって、性をコントロールされることで生じる最大のデメリットは、「貧しい性的快楽しか得られなくなる」ということです。(中略)多くの男子が、未成年や女子高生、人妻とのセックスに動機づけられるのは、それが社会的・倫理的な「タブー」だからです。前述のヘアヌードや無修正動画の観賞によって得られる快楽もこのタイプです。「処女」や「素人」といった、純粋無垢とされる存在に高い価値が置かれる背景にも、このタイプの快楽の影響があります。(P.26) 

このようなタブーを破ることで得られる性の快楽の欠点は長続きしないことだそうです。したがって、次々と新たなタブーや強い刺激を求めて女性を使い捨てたり、抑圧・差別したりするようになると言います。

それに対して、著者が理想とするのは「積み重ね型」の快楽というもの。

これは特定の相手との人間関係や思い出を積み重ねることで、その相手に対する感情的な信頼を深めていく過程で得られるタイプの快楽です。初対面の見知らぬ相手といきなりセックスするよりも、一定の期間交際を続けている、相互的な信頼関係を築いた相手とセックスをする方が、心身共に満たされるのは、この「積み重ね型」の快楽を享受できるからです。(P.28)

 でも、国家権力がコントロールする「記号」に踊らされて興奮している限り、我々男子は「タブー破り型」の快楽しか得ることができないと著者は言います。

だからこそ、そういった「記号」としての「性」にとらわれることなく、自分の言葉で「性」を語れるようになろうというのが著者の主張であり、そのための教科書が本書なのです。

難しいテーマなので、著者も上手く整理できていないのか、時折その主張に矛盾を感じる部分もありますが、全体としては今までありそうでなかったタイプの本として好感が持てます。大まじめに男子の性をめぐる問題点を取り上げ、解決のための道筋を示すというおもしろい本となっています。

記号化した性的刺激に踊らされて、生身の女性を見失い、変態プレイに突き進んでいくようじゃお先真っ暗だよってことですよ。おかずがなければ自慰もできないようじゃかなり汚染されているみたいですよ。男子諸君はなるべく早く手に取った方がいいと思う一冊です。 

男子の貞操: 僕らの性は、僕らが語る (ちくま新書 1067)

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少女はセックスをどこで学ぶのか (一般書)

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