[พ]Another ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

映画(ちょいエロ・ゾンビ・ホラーなど)の感想や「おっぱい愛」など、内容が異なるもうひとつの[ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

[พ]オフシーズン/後味は最悪だけど恐怖の一夜を体験できる人食いスプラッタ小説 @kun_maa

ジャック・ケッチャムのオフシーズンを読んだ。

1981年に発表されたケッチャムのデビュー作ある。

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内容が凄惨すぎるために、出版にあたりかなりの訂正・削除を強いられたという。

それでも出版された作品に対して、苦情や非難が相次ぎ、出版元がビビって再版をしなかったため、長らく入手困難な幻の作品とされていた。

そして、1999年に限定本としてオリジナル原稿に近い形で再刊されるまで封印されていた曰く付きの作品である。

僕はKindle版で読んだのだが、この本はオリジナル作品に近い形の作品の邦訳である。 

避暑客が去り冷たい秋風が吹き始めた九月のメイン州の避暑地。ニューヨークから六人の男女が休暇をとって当地にやって来る。最初に到着したのは書箱編集者のカーラ。すこし遅れて、彼女の現在のボーイフレンドのジム、彼女の妹のマージーとそのボーイフレンドのダン、そしてカーラのかつてのボーイフレンドのニックとそのガールフレンドのローラが到着した。六人全員が到着した晩に事件は勃発した。当地に住む“食人族”が六人に襲い掛かったのだ。“食人族”対“都会族”の凄惨な死闘が開始する。 Google Books 

舞台となるメイン州の避暑地は、事件らしい事件もない一見平和な町。避暑客が去ったオフシーズンにはそれこそなんのゴタゴタも起きないような退屈な町である。

でも、それはただ邪悪な存在に誰も気がついていないだけ。点として起きている不可解な事故が線として繫がる時、時既に遅く凄惨な事件は進行しつつあるのだ。

 

その恐怖は執拗で生々しい。

映画に例えると「クライモリ」や「テキサス・チェーンソー」を彷彿とさせる。

理不尽な世界に放りこまれ、誰が助かるのか想像もつかない。

そして誰の助けも期待できない。

物語には希望のかけらもなく、生は軽んじられ死の扱いは理不尽きわまりない。

残虐な描写が満載なので、読む人を選ぶ作品であることは間違いない。

カーラがまだ見あげているうちに、ナイフがいったん下げられ、ふたたび振りあげられた。クリトリスを燃え上がらせたナイフはじりじりと着実に、腹を、乳房のあいだを裂いてとうとう首にたっし、熟練の刃さばきで前頸静脈を断ち切った。数瞬後、カーラは絶命した。バケツに血がたまりはじめた。子どもたちが火を焚きつけた。痩せた男は、かがみこんでカーラの死体をじっくりとながめた。そろそろと注意深く、胸の中に手を差し入れ、心臓に触れた。まだ温かい。まだ脈打っている。男はナイフで動脈と静脈を切り離し、筋肉の塊を光の中に持ちあげた。 

この引用を読んで嫌悪感を感じた人にはこの作品はおすすめしない。これ以上の凄惨な描写が至る所に転がっているからだ。

逆に、なにか心に引っかかる或はドキドキすると感じた人にはおすすめの作品だ。

もちろんスプラッタ映画やホラー映画好きの人にもおすすめする。

 

狩る側の者がいつしか狩られ、正義がいとも簡単に邪悪になる。

単純な善悪は存在せず、人間の野獣性がむき出しになりぶつかり合う。

勝者も敗者もなく、ただ肉片と化した無数の死体が転がっている。

そんな感じだから、タイトルにも書いたが読後の後味は非情に悪い。

しかし、最初から最後までその作品世界の中に引きずり込まれ、時に嫌悪し、時に快感を感じながら一気読み間違いなし。

さあ、この理不尽で救いのない世界をあなたものぞいてみませんか。

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