[พ]映画「ライフ・イズ・デッド」/原作の秀逸さと比べてがっかりするもそれなりに楽しめる日本のゾンビ映画 @kun_maa
感染するとゾンビになってしまうというアンデッド・ウィルス(UDV)が世界中に蔓延したという設定の近未来の日本が舞台の作品です。
原作は秀逸なゾンビ漫画として有名な同タイトルのコミックです。
基本的な部分は原作に忠実に描かれていますが、やはりそこはかとなく流れる低予算B級作品臭は消すことができず、原作の映画化作品は原作を超えることができないという見本のような作品ではあります。
正直なところ、原作にいたく惚れ込んでいる自分としてはがっかりしましたが、まあこれはこれで別の作品なんだと思えばそれなりに楽しめます。
主役の赤星逝雄と妹の消子はそれなりに雰囲気出しているし、ゾンビのメイクはかなり雑すぎてこれはひどいとは思いましたが、取って付けたような血しぶきシーンもごく稀に挿入されていて一応ゾンビ作品の体面はギリギリ保っているかと思います。
ウイルス感染によるゾンビ化という設定なので、発症するまでは「UDV感染者」という扱いになります。一応「ゾンビ」は差別語なんだよね。
それでもUDV感染者の扱いはかなり差別的になり、ゾンビになる前から人権はかなり侵害されてますけど。
特に主人公の感染ルートが性交渉によるものであることから、このあたりの扱いはどうしても「HIV感染者」と「エイズ患者」をイメージせざるを得ない作りになっていて、ある意味原作に忠実ではあります。
アンデッド・ウィルス(UDV)にはその進行度合いに応じて、レベル1〜5まであります。ちなみにレベル5がゾンビ化ね。
一応、感染源となったアバズレ女や、いざという時のために使う銃に対する家族の葛藤、強制的にはめられるセイフティ・バンドという名の首輪(ゾンビ化すると首から上を爆破する)なども登場するあたりもとりあえず原作どおりかな。
ちょっとイメージが違うって感は否めないんだけどさ。贅沢を言ったらキリがないしね。
ゾンビ作品のくせにゾンビはほとんど出てこないし、血しぶきシーンも滅多にないので、セイフティ・バンドの誤作動で首が吹っ飛ぶ次のようなシーンは貴重です。
こういうシーンが苦手な人でもほとんど安心して観ていられる健康優良児のようなゾンビ作品と言えるでしょう。
とうとうゾンビとなってしまった逝雄と家族のとった行動。
感染源となったアバズレ女の最後や、ゾンビを面白がって噛まれるバカなガキなど、それなりにいろんな人間模様を抱えながらも物語はなんていうか能天気に終わりまする。
この辺がやはり限界なんだろうな。
まあ、ちょっと悪く書いてしまったかもしれませんが、もっとくだらない作品を知っている身としてはそれなりに楽しめる作品だと思います。
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