[พ]映画「死霊のはらわた Ⅱ」(EVIL DEAD Ⅱ)/スプラッタ・コメディ&驚愕のラストに笑いが止まらない @kun_maa
1987年公開のアメリカ映画。タイトルに「Ⅱ」とあるように、サム・ライミ監督の出世作である「死霊のはらわた(EVIL DEAD)の続編というイメージがありますが、ストーリー自体は繋がっているわけではなく、よりコミカルにリメイクしたと言った方がふさわしい作品です。
スプラッタ・ホラー映画(もしくはゾンビ映画)に分類されることが多いのですが、僕はスプラッタ・コメディだと思っています。それくらいコミカルに描かれていて、作り手が楽しんでいるのが伝わってきます。
登場人物の名前は、前作と同じアッシュとリンダ(アッシュを演じている俳優は同じブルース・キャンベルですが、リンダは別の女優)です。前作で登場した友人たちやアッシュの妹は今回は登場しません。
舞台は前作と同じ森の中の山小屋です。今回ももちろん邪悪なものをこの世に呼び寄せる「死者の書」は登場します。他人の山小屋に勝手に上がり込んだアッシュとリンダは2人きりで燃えがるような夜を過ごすはずが...アッシュが偶然再生してしまったテープレコーダーから流れる「死者の書」の朗読により、リンダに森の死霊が取り憑いてしまいます。
心配するアッシュに襲いかかる死霊リンダ。
アッシュはリンダのことを愛しているはずなのに、なんのためらいもなくスコップで頭を切り落とします。いやー、シュールだわww
そして、死霊はアッシュにも取り憑きアッシュの形相は不気味な化け物に。
でも、この死霊は太陽が出ている昼間は活動できません。取り憑かれたアッシュの肉体も夜明けとともに解放されます。明るいうちに逃げ出そうとするアッシュですが、谷に架かる橋が破壊されていて帰ることができないというお約束の展開。
そして絶望の夜をむかえ、再び死霊との戦いが始まります。
もう、このへんのアッシュや死霊たちの行動や表情などは、恐ろしいはずなのにコミカルに描かれすぎて笑ってしまいます。死霊との戦いのはずなのにお笑い番組のコントを見ているようです。
前作は、ぐちゃぐちゃすぎるスプラッタシーンとあまりの血糊の量に、おそらく製作者の意図に反して笑ってしまいましたが、今回は本気でこの作品をコミカルに演出しているようです。
特徴的だったぐちゃぐちゃのスプラッタシーンは封印されたかのようになくなり、死霊と戯れる感がかなりのものです。
唯一、首切りと血糊ぶしゃーのシーンがしぶとく残っているくらいでしょうか。
アッシュはなぜか右手だけを死霊に取り憑かれて、パントマイムのように右手と戦った挙句に自ら手首の先を切り落としますが、この右手との一人芝居が完全にコントでした。
そして、切り落とされても勝手に動いてアッシュをバカにする右手と、伝家の宝刀大量の血糊!もう笑いが止まりません。いや、ほんとおもしろいから。笑っちゃうから。
アッシュがひとりで死霊と死闘を繰り広げている最中に、この家の持ち主ノウビー教授の娘アニーの御一行様4人が小屋に到着。
人数が増えたことで混迷の度合いを深めていきます。
それにしても、アッシュ役のブルース・キャンベルの演技が最高におもしろいです。彼は、どことなくジム・キャリーに似ていますね。
スプラッタ・ホラー作品で大笑いというのも変なものですが、製作者も明らかに笑いを取りに来ているので、これは近来稀に見るエンターテイメント的スプラッタ作品ともいえるでしょう。
だって、死霊の顔を踏みつぶした拍子に飛び出した目玉が口の中に飛び込んできて飲み込んじゃうんですよ。気持ち悪いけど笑っちゃいます。
死霊が取り憑くというホラー要素あり、殺しても殺しても死なない不死の肉体というゾンビ的要素あり、切り落とした右手にチェーンソーを取り付けて死霊たちと戦うヒーロー要素あり、そしてもちろん全ての演出がコミカルというコメディータッチのエンターテイメント・スプラッタ・コメディ作品です。
騙されたと思って、一度観てみるといいと思います。タイトルに似つかわしくないようなホントおもしろい作品ですから。
約1時間半とそれほど短い作品ではないのに、最後まで間延びせずに次から次へと楽しませてくれますよ。
そして、ラストは思いもよらない落とし所が待っていて、なんていうかホントびっくり。
こういうのを「驚愕のラスト」っていうんだろうなあ。っていうかちょっとふざけすぎじゃないですか?サム・ライミさんってば。
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