[พ]ベロニカは死ぬことにした〜真木よう子のヌード目的だったけど素敵な佳作でした @kun_maa
タイトルの「ベロニカは死ぬことにした」は、ブラジルの作家パウロ・コエーリョの原作タイトルの邦訳なんで、この映画に主人公ベロニカは登場しません。
真木よう子が演じる「トワ」という女性が主人公で舞台も日本です。これじゃタイトルが意味不明だよねって思ったのは内緒です。
主人公のトワが毎日繰り返される日々に倦み、何も意味を見いだせない人生に絶望して、睡眠薬自殺を図るところから物語は始まります。
発見が早くて一命を取り留めるのですが、目覚めた精神病院で、医師から「大量に飲んだ睡眠薬の後遺症で心臓の弁が壊死を起こしており余命1週間程度だ」と告げられます。
そのまま、その精神病院で他の入院患者たちと不思議な生活をともにすることになるトワ。
死ぬことだけを考えていた彼女が、余命わずかとわかった中で他の患者たちと交流をしていくうちに、誰もがそれぞれ問題を抱えており、それでも生きていく素晴らしさを知り、彼女自身の隠された問題点にも目覚めていくっていう「再生」のストーリーです。
すっごくざっくりとですが。
ところで、真木よう子ってすごい美人ですよね。そう思いませんか?
ちょっと憂いをおびた表情も、屈託のない笑顔も美しい。
僕が大好きな女優さんのひとりなんですが、彼女がこの作品でヌードを披露していて、しかも大胆なオナニーシーンに挑戦しているというので、興味津々で観はじめたのがこの作品を観るきっかけです。どうもすいません。
だから正直、タイトルと主人公の名前のギャップや、ストーリーすらロクに気にせず、「早くヌードシーンにならないかなあ」ってずっと思いながら観ていました。
ごめんなさい。ごめんなさい。
ところが、登場人物の抱える問題を丁寧に描き、その人物とトワとの交流から生きることの意味を観る者に問いかけてくるような構成や、狂気と正気の境界線の揺らぎから観る者を不安にさせる演出など、観ているうちに次第に作品世界に引き込まれていくのです。
山の中の精神病院という閉鎖的な空間が主な舞台というのも、観る者の気持ちを不思議な感じにさせます。
「真木よう子」しか頭にありませんでしたが、実は脇をかためる俳優陣は、風吹ジュン、中嶋朋子、市村正親、荻野目慶子、淡路恵子など演技派揃いで、なんていうか、けっこう豪華な作品でした。
もちろんメインディッシュである「真木よう子のヌードシーン」はそこだけ繰り返し堪能しましたが、それだけではない魅力をもった佳作です。
繰り返し観たヌードシーンをメインディッシュと書いた直後に「それだけではない魅力をもった佳作」とか書いても説得力は皆無ですが。
切ないはずのラストシーンも希望がある終わり方で、ちょっと勇気と元気をもらいました。
生きていくって、いろいろ大変だけどそれでも生きるっていいよねって思わせてくれる作品です。
- 作者: パウロコエーリョ,平尾香,Paulo Coelho,江口研一
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