[พ]ワイセツって何ですか?(「自称芸術家」と呼ばれた私)/まんこ連発!でもどこがワイセツなの? @kun_maa
本書を本屋で見かけたときに「ああ、そういえばこの変わった名前の人がワイセツ関係でニュースになってたなあ。なんだっけ?」くらいしか知らなかった。
でも、著者の名前はインパクトがあるのでよく覚えていたんだ。
だって「ろくでなし子」だよ。一度聞いたら忘れないよね。
ある意味「まんしゅうきつこ」さんに匹敵するくらいのインパクトだと思うんだ。
そのろくでなし子さんが、ニュースでは”自称芸術家”って紹介されていて、自分の性器を形どった作品がワイセツ物扱いされて逮捕されたってのが聞きかじりの知識。
正直、ワイセツ物とか言われても今の日本社会で卑猥でワイセツな物なんていつでもいくらでも手に入るくらい氾濫しているじゃないですか。
いわゆる大人のおもちゃだってすんごいのあるし、エロ画像やエロ動画なんてネット上にそれこそ腐るほどありますよね。え?知らない?そんなことないでしょゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ
何を今更そんなことで大騒ぎしてんの?って思ったのが正直なところです。
それなのに自分の性器を型どって、いろいろパロディをまぶしておもしろおかしく作った作品や、性器型(そろそろめんどくさいから次から「まんこ」にしますか)のボートを作るためにクラウドファンディングで資金集めをして、そのリターンとしてまんこの3Dデータをあげた程度のことでいきなり逮捕・拘留ってなんぞ?って感じで、なんか警察も検察も斜め45度くらいにズレちゃってんなあとしか思えない。
そもそもワイセツの定義って最高裁の判例によれば「徒らに性欲を興奮又は刺激せしめ、かつ、普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するものをいう」ってことなんですけど、本書にも掲載されている「まんこアート」ってどれをとっても、これで「性欲を興奮又は刺激」される奴がいたら見てみたいってくらいかわいかったり、おもしろかったりという作品ばかりで、なんでこれが逮捕されるほどのワイセツなの?って思いますよ。
たぶん僕だけじゃなくて大半の人が思うんじゃないかな。
これで「性的羞恥心」を害する「普通人」っていつの時代の人だよって。
昔みたいに、陰毛はアウト!まんこなんて表舞台に出すのはもってのほか!って時代なら、お目にかかることのできないまんこに対する憧れ、羨望、妄想から実物のまんこを型どったってだけで興奮する男もいたかもしれないけど、今はそんなまんこの型どりで興奮する奴なんていませんて。
ああ、もしかすると警察、検察関係者の中にいたのかもしれませんね。
そういう意味では、本書のタイトルどおり「ワイセツって何ですか?」とこの件に関係している警察官、検察官、裁判官に聞いてみたい。
個人的には、あれでしょ?大人のおもちゃ系はバックにいろいろついているかもしれないし、ネット系は外国にサーバがあったりしてなかなか手が出せないから、挙げ易いところで「ろくでなし子」って個人を見せしめに叩いているんでしょ?って思っている。
だから、こんなバカバカしい茶番劇に巻き込まれているろくでなし子さんを応援したいと思う。まあ、これだけ騒がれて一気に有名になれたから悪いことばかりではないとは思うけどww
本書を読んでそんなことをつらつらと思った次第。
事件のことはほとんどわかるし、この事件全体の茶番劇さも十分反映されている。なにしろ本人が描いているんだからね。
それにしても、逮捕・拘留という普通の人にとっては心折れる一大事を、冷静で鋭い視点からおもしろおかしく描いているところはさすがです。御見逸れしました。
事件やまんこについて描かれたおもしろい漫画作品のほかにも、園子温監督と著者の対談は「恥」や日本のタブー、社会論みたいな部分にも斬り込んでいてとてもよかった。
サクッと読めてしまうのに、ワイセツのみならず警察の怖さみたいなものまで考えさせられるおすすめの一冊です。
そういえば、日本初の「春画展」が2015年9月19日〜12月23日にかけて都内の永青文庫で開催されることが決まったというニュースを見たけど、クレームを恐れて春画展を受け入れる美術館が無かったことや、永青文庫にやっと決まったとはいえスポンサーも付かないという日本の現実を鑑みるとき、ろくでなし子さんの裁判も何をか言わんやである。
とか偉そうなことを書いたけど、僕自身もGoogleさんが怖くて、Googleの広告を利用していないサブブログでの紹介になっているという情けない現実orz
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