[พ]映画「インド・オブ・ザ・デッド」/麻薬万歳!マサラムービーではない本格的なゾンビコメディ @kun_maa
インドの人口は12.52億人(2013年)なので、インドでゾンビがパンデミックしたらそりゃもう大変なことになります。
だいたいインド人はゾンビにならなくても、性格がしつこくて殺しても死ななそうな人が多いのだから(個人的な感想です)、ゾンビになったインド人のことなど怖すぎて考えたくありません。
それなのに...「インド・オブ・ザ・デッド」(2013年製作のインド映画、日本での公開は2015年3月)を観ちゃいました。
この作品、基本的にコメディ映画なのでほとんど怖くありません。
もちろんゾンビ映画なので、それなりにぐちゃっとしたゾンビメイクやスプラッタシーンがないわけではありませんが、ストーリーで怖がらせる部分は皆無。何回かお化け屋敷的な驚かされ方をされる程度です。
だから、安心して楽しめます。
主人公の男3人組は、会社でマリファナを吸っているのがバレてクビなったハルディク(真ん中)、二股をかけられたあげくに失恋したラヴ(向かって右)、そしてダメな彼らの親友として巻き込まれる優秀な会社員バニー(向かって左のボーダーシャツ)。
舞台も12億人以上の人口を擁するインド本国ではなく南のビーチリゾート、ゴアからさらに海を渡った離島です。これだけでも一安心ですね。
原題が「GO GOA GONE」だからね。
この島でロシア人マフィアが主催するレイヴパーティー(要するに麻薬パーティーですな)に参加した3人。楽しいひとときを過ごすはずが...
パーティ会場で、1粒5,000ルピーというめちゃくちゃな高値で売られていた新型ドラッグがゾンビの原因となり、お金がなくて買えなかった3人の他に数人の参加者を除いて、翌朝にはパラダイスだった島中がゾンビだらけ(笑)
しかもドラッグが原因なのに、ゾンビに噛まれるとお約束どおりにゾンビになっちゃうという優等生的な基本路線。なんで?
当然武器もなく、絶体絶命の彼らのところに颯爽と現れてゾンビを撃ち殺していくロシア人マフィア・ボリス(実はインド人)。
なんとか協力しあって、島を脱出しようとするのだけど、そこはサービス精神旺盛なインド映画。まあいろいろと細かいギャグを会話や演出に仕込んできて終始笑わせてくれます。おもしろいです。
だいたい邦題で「◯◯・オブ・ザ・デッド」というタイトルの作品はクソ映画なことが多いのですが、この作品はよかった。けっこう本格的なゾンビコメディ作品です。
見る人が見るとわかるかもしれないけど、過去のゾンビ作品へのオマージュのつもりなのか、名作ゾンビ作品の登場人物と思われるゾンビたちが勢ぞろいしている場面もあります。これがわざわざ不自然にズームインされるんだけど笑っちゃうくらい似てねーし。下の写真なんですけど、どれが誰かわかりますか?
場面数は多くありませんが、それなりにゾンビのお食事シーンや残酷な描写もちゃんと作っています。
騒ぐほどのスプラッタシーンではないのが残念ですが、努力は認めます。及第点。
どうしてこんなに銃があるのかなんて野暮なことは詮索しないほうが楽しめます。
無駄にかっこいいところが気に入ってます。
こんなに銃があってもダメな奴らは何をしてもダメという見本のような展開もおもしろい。なぜそこでそんなことをする?
それにしても、こんなに大勢のゾンビがパーティーに参加してたのか?ってくらい湧いて出てきます。
最後には「えええええええええ!マジですか?」っていうくらい安直な解決策が披露されたり、世界の終わりを予感させるような場面も待っているのでお楽しみに。
終始マリファナだのコカインだのと麻薬万歳!なところがインドっぽいし、エンディングで流れる特別映像ではマリファナ賛歌のようなイカした曲が流れます。
こういうの好きだなあ。
そしてインド映画といえば、いわゆる「マサラムービー」といわれる所以の唐突に挿入されるミュージカル的なダンスシーンが思い浮かびますが、冒頭で流れるテレビのパロディシーンでちょこっと見せられる以外には例のダンスシーンがひとつもないというそれでも貴様インド映画なのか!って説教したくなるような作品なので、あのダンスシーンが苦手な人も安心して観てくださいね。
監督がアメリカ在住のインド人なんですね。だからなのかな?
映画『インド・オブ・ザ・デッド』劇場予告編 - YouTube
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